アスベストは、非常に優れた機能を持つ材料です。これまでにわが国に輸入されたアスベストの総量は、約1,000万トンといわれております。
そのうち約90%が建築材料として、0.1%〜30%、40%を含み加工され使われてきました。このようなことから考えても日常生活をする上でアスベストのない環境で生活することが不可能な状況となっています。
除去工事では、工事中に環境基準値をはるかに超えるアスベストを近隣に撒き散らしている現状があります。これは、アスベスト繊維が20ナノメータ という細かさゆえ、工事でいくら密封状態を作ろうとしても完全な状態を作るのは難しいことと、一時的ではあるものの工事中は、先が見えなくなるく らいの粉塵をあげての作業となるためです。アスベストは、飛散したものを吸い込むことにより健康被害が発生します。
今、早急にやらなければならないことは、まず、飛散を一刻も早く止めることにあると考えています。
アスベストは、最終的には撤去し処理しなければなりませんが、まず、『封じ込め処置』を速やかに行うこともひとつの方法です。施工費用的にも工事期間的にも、安心感、安全度的にももっとも有利な方法です。
撤去(除去)につきましては、建築物を解体するときに処理することが望ましいと考えます。
政府の方針でアスベスト処理には、溶融を打ち出しておりますが、現状1,500℃以上の熱エネルギーが必要で、そのような特殊な超高温溶融炉は費用面、耐久性面などから限られており、需要に追いついていません。除去されたアスベストを廃棄するにも廃棄場所がないなど、二次被害の危険性もあるため、すぐにすべてを除去し自分のところからなくすと言うだけでは、この問題は、解決せず正しい知識と正しい判断の上での行動が必要です。
アスベスト処理方法
1)除去
「除去」とは、吹付けアスベストをすべて取り除いて、非アスベスト建材に代 替することをいいます。この除去は、吹付けアスベストそのものを取り去るもので、根本的な措置です。そのアスベストの損傷、劣化の程度の高いもの(脱落・繊維の垂れ下がりが多いものなど)、基層材との接着力が低下しているもの(吹付け層が浮き上がっているものなど)、 振動や老衰のあるところに使われている場合など、「封じ込め」や「囲い込み」では 有効な措置を講じることが期待できない場合は、この除去の措置が有効です。
2)封じ込め
「封じ込め」とは、吹付けアスベストの表面に固化剤を吹付けることにより 塗膜を形成(塗膜性封じ込め処理=表面固化形)したり、吹付けアスベストの内部に固化剤を浸透させアスベスト繊維の結合力を強化する(浸透性封じ込め処理=浸透固化形)ことにより、吹付けアスベストの表面、そのアスベスト全体を固化させてアスベストの飛散防止措置を行うものです。
3)囲い込み
「囲い込み」とは、アスベストが吹付けられている天井、壁などを非アスベスト建材で覆うことでアスベストの飛散防止措置を行うものです。この措置によって、仮にその吹付けられたアスベストがはがれたとしても、アスベストを覆っている非アスベスト建材によって、そのはがれたアスベストが外へ飛散することを防止できます。